Multi Face Log Labは、ZOOM人狼やYouTube配信など、複数人が同時に映る映像を対象に、参加者ごとの表情変化を記録する研究用ツールです。映像上に手動で解析枠を配置し、枠ごとに顔検出を行います。記録するのは、笑顔、口の開き、目の開き、瞬き、顔向き、顔の移動量、顔ロストなどの数値変化やイベントログです。このツールは、誰が嘘をついているか、誰が怪しいかを判定するものではありません。あくまで、複数人映像の中で見逃しやすい表情変化を記録し、あとから振り返るための補助ツールです。
将来的には、オンライン人狼をより対面に近い感覚で遊べるようにしたいという考えもあります。対面人狼では、発言だけでなく、表情や間の取り方、誰を見たか、どんな反応をしたかといった情報が自然に入ってきます。一方で、オンライン人狼では、画面上の情報が多く、参加者の表情を細かく拾うのが難しくなります。すでに世の中には議事録ツールや文字起こしツールがあり、発言を記録する仕組みは整いつつあります。そこに、声と顔の情報を紐づけることができれば、人狼中の反応や表情をより立体的に振り返れるのではないか。Multi Face Log Labは、その第一歩として作った研究用MVPです。YouTube配信の映像でテストしたところ、画面映りの角度や明るさ、顔のサイズによって、表情の拾いやすさに差が出ることが分かりました。枠が多い場面では負荷も高くなるため、細かい瞬間変化より長時間安定して記録できることを優先し、解析頻度の調整やローテーション解析を進めています。
Multi Face Log Labの面白さは、「人狼をAIに当てさせたい」という方向ではなく、人間が見逃しやすい情報を、あとから振り返れる形で残そうとしているところにあります。ZOOM人狼や配信人狼では、画面にたくさんの参加者が並びます。その全員の表情や反応を、リアルタイムで細かく見るのはかなり難しいです。でも、人狼の面白さは発言だけではありません。誰かが話した瞬間の笑い方。沈黙している時の顔。少しだけ口が開いたタイミング。目線や顔向きの変化。そういう小さな反応が、あとから見ると大事な材料になることがあります。このツールは、そこを補助するための研究です。嘘を判定するものでも、怪しい人を決めるものでもなく、「この場面で何が起きていたか」を残すためのログツールです。試してみると、検出しやすい人としにくい人がいたり、枠が増えるとメモリが苦しくなったり、まだまだ課題はあります。でも、その課題も含めてかなり面白い。人狼の表情精査を、勘や記憶だけでなく、あとから見返せる観察ログにする。これは人狼界隈にとって、かなり新しい遊び方の入口になるかもしれません。毎日見る株式会社としては、Multi Face Log Labを、人狼をズルして勝つためのツールではなく、人狼を見る力を育てるための研究作品として育てていきたいです。